2025/09/05 07:00
夏休みが終わり、新しい学期が始まる9月。
朝夕には秋の気配を感じながらも、昼間はまだ汗ばむ暑さが残っていますね。
子どもたちは学校生活に戻ることで気持ちが切り替わりますが、体はまだ夏の疲れを引きずっていることも多いもの。
「なんだか風邪をひきやすい」「朝がだるそう」「咳や鼻水が出やすい」。
この時期、体調を崩すのはめずらしいことではありません。
新しい生活リズムと、季節の変化のはざまで、体は大きな負担を受けています。
ー 子どもの秋ケアが大切な理由
夏の間にたくさん汗をかき、冷たい飲み物やアイスを口にしていた体。
水分やミネラルは失われ、胃腸は冷え、消化の働きもゆるんでいます。
そこに新学期の緊張や生活リズムの変化が重なると、免疫力が落ち、体調を崩しやすくなるのです。
特に出やすいのは「咳」「鼻水」「喉の乾き」「便秘」。
これは秋に入るとすぐ影響を受ける“肺”が弱っているサインでもあります。

ー秋は「肺」をうるおす季節
東洋医学では、秋は「肺」を労る季節。
乾いた空気にさらされることで、喉や鼻、肌が乾燥しやすく、咳や便秘も起こりやすくなります。
だからこそ秋の入り口は、「肺をうるおす」ことが養生のカギ。
おすすめは、梨・白きくらげ・大根・はちみつなどの“白い食材”。
これらは肺をやさしくうるおし、乾燥から体を守ってくれます。
甘味ややさしいとろみがあるので、子どもでも食べやすいのが魅力です。
ー 親子でつくる、おすすめレシピ
・梨と甘酒のやさしい煮もの
梨を一口大に切り、甘酒でコトコト煮ていきます。
ほんのりとした甘さと潤いが、喉の乾燥や疲れにしみわたり、デザート感覚で楽しめます。
おやつにも食後のひと品にもぴったり。
・大根と白きくらげの塩麹スープ
大根と戻した白きくらげを、だしと塩麹でシンプルに煮ます。
とろりとした優しい口あたりが、乾いた肺をうるおし、冷えて弱った胃腸にもやさしい一杯に。
体調を崩しがちな新学期に、親子で取り入れたい養生スープです。

夏に使い切ったエネルギーを回復させ、これから深まる季節に備えるために、台所でできる小さな工夫を取り入れてみてください。
梨を煮る時間、スープをゆっくり煮込む時間。
そのひとときが、子どもや家族の体を守るやさしい暮らしになります。
今日の一杯が、新しい学期を迎える子どもの元気につながり、
そして秋を健やかに過ごす力になりますように。
養生家 鈴