nagayakoji

2025/07/14 12:00

こんにちは。養生家 鈴です。
暑かったり、ジメジメしたりと季節の変化がありますね。
心身はどんな状態になっていますか?

梅雨が明けて、夏の陽ざしがぐっと強くなる7月。
汗ばむ毎日が続く中で、ふと気づくと体が重く感じたり、夜なかなか寝つけなかったり、
食欲が落ちてきたり──そんな「なんとなく不調」を感じることが増えてきます。

東洋医学では、夏は“心(しん)”の季節。
「心」とは心臓だけでなく、精神の安定や意識・感情の働きをつかさどる場所。
この季節に心がざわざわしやすかったり、焦りを感じたりするのは、自然なことでもあります。

一方で、わたしたちの体も、夏に入ると“冷やす力”を全開にしてがんばっています。
汗をかくこと、血液を皮膚表面に集めること、食欲を落として消化をセーブすること。
どれも「体温を下げる」「内側を守る」ために働いてくれている、大切な機能です。

でも、その冷やす機能がうまくいかないとき──
体の中に熱がこもり、だるさやイライラ、食欲不振、夏バテへとつながっていきます。
ー冷たいものを摂りすぎると“巡らなく”なる

暑いからといって、冷たい飲み物やアイス、冷やし中華ばかりの日が続くと、
胃腸がびっくりして、うまく動かなくなってしまいます。
内臓が冷えると、気血の巡りがにぶくなり、
「だるさが取れない」「眠りが浅い」「やる気が出ない」といった心身の不調につながります。

実は、夏バテって“冷えバテ”でもあるのです。

特に、クーラーの効いた室内と、外の猛暑との温度差も大きな負担に。
体温調節を一日中がんばっているわたしたちの体は、見えないところでたくさん働いています。

だからこそ、**「冷やすことをがんばっている体を、そっと助ける」**ことが、
夏の養生の要になります。



ー子どもたちにも、やさしいケアを

大人以上に、体温が高くて感受性も豊かな子どもたち。
アイス、冷たい飲み物、エアコンの中での生活が続くと、胃腸が弱りやすくなります。

お腹を触ってみて、ひんやり冷たかったら、それは冷えているサイン。
お腹の中が冷えていると、下痢や腹痛だけでなく、イライラ、不安感、落ち着きのなさにもつながることがあります。

そんなときは、温かい汁物を一口でもいいから加えてあげること。
たとえば、夕方のお味噌汁、煮物、甘酒をちょこっと温めた飲み物など。

食事を使ってすこしだけ温めてあげる。
それだけで、子どもたちはほっと安心するように、体の中が巡り始めます。
ー夏野菜+温め食材+麹の、めぐるごはん

夏野菜は、水分が多く、からだを自然に冷やしてくれる働きがあります。
でも、それだけだと“冷やしすぎ”になることも。
そこで組み合わせたいのが、温める食材と、麹の力。

【夏におすすめの組み合わせ例】
・とうもろこし+塩麹でスープに
・トマト+ねぎ+生姜を使ってドレッシング
・枝豆+甘酒+ごまの和え物
・かぼちゃ+味噌+シナモンで冷製ポタージュ風に

この3つを組み合わせると、
・夏野菜の“潤し”
・温め食材の“巡らせ”
・麹の“ととのえ”
というバランスが生まれて、体も心も穏やかになります。

朝のスープ、夜の一皿。
たったひとつの“やさしいごはん”が、夏を乗り越えるちからになります。

ー おわりに

夏の台所で、体の声をきく。
夏はどうしても、体の外側に意識が向きがち。
「暑いから冷たいもの」「疲れたから甘いもの」──
でもほんとうは、その奥で体は、ひそかにがんばって冷やしてくれています。

そのことに気づいて、
「ありがとう」と言うように、温かいものを差し出すこと。
それが、夏をやさしく乗り切る養生のスタートかもしれません。

冷やしすぎない。温めすぎない。
夏野菜、麹、そして少しの温める意識を添えて、ちょうどよくととのえていく。
そのバランスこそが、体にも、心にも、子どもにも、いちばんやさしい季節の知恵です。

一日一日と季節は移ろい行きます。
体も同じということも忘れないでくださいね。

夏を快適に過ごしていきましょう。

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